2009年4月18日土曜日

Road to Guantanamo

『新潮45』5月号が発売になりました。私の連載「恋愛単語で知るアメリカ」はこの号で締めくくりです。最終回にはそれにふさわしく(?)「自分の感情と向き合う」と題して、アメリカのミドル・クラスの主流文化の一部であるセラピー用語に焦点を絞りました。どうぞ読んでみてください。連載というものを担当したのはこれが最初でしたが、なかなか楽しい仕事でした。

研究助成金応募のための企画書を書かなくてはいけないのですが、それに向かうのが嫌で、代わりにRoad to GuantanamoというドキュメンタリーをDVDで観ました。英国国籍のイスラム系の3人の青年がパキスタンに里帰りしたついでに、アフガニスタンの情勢を見に行ってみようと国境を越えるのですが、アフガニスタン滞在中に爆撃の混乱に巻き込まれ、なにが起こっているのかもわからないまま、彼らはアルカイダの一員との容疑をかけられ北軍に捕らえられ、はるばるキューバのグアンタナモの米軍刑務所に連れていかれ、正式な嫌疑はなにもないまま二年間にわたって非人道的な拷問を受けたのち釈放される、という実際に起こった事件を再現したものです。グアンタナモやアブ・グレーブ刑務所(ともに『現代アメリカのキーワード 』参照)についてのニュースはアメリカにいるとよく入ってくるものの、実際の人たちの具体的な経緯をこうして見ると、本当に背筋が寒くなる思いがします。オバマ大統領は1年以内にグアンタナモ刑務所を閉鎖するとの行政命令を出していますが、現在も拘留されている人たちに関する調査書類がきちんとととのっていないため、釈放される人たちについてもかなりの時間がかかると予測されています。

というわけで、家にあったDVDも観てしまったので、仕方がないので助成金応募書類にとりかかります。