ところで、ニューヨーク・タイムズの記事の話ばかりですみませんが、昨日と今日の「もっともメールされている記事」のひとつに、「高収入の女性と結婚する男性が増加」という記事があります。アメリカでも、「家族を養うのが男の甲斐性」という伝統的なジェンダー観は根強いので、自分よりも学歴や収入の高い女性とつきあったり結婚したりすることに抵抗を示す男性は少なくないものの、社会通念の変化や経済状況の現実によって、より多くの男性が、自分よりも高収入の女性と結婚するようになっている、とのこと。身体的・精神的な観点からいえば、結婚によって得るものは女性よりも男性のほうが大きいというデータは、しばらく前から出ていたけれども、それは経済的なことにも当てはまる、という結果らしいです。とくに、失業率が10%前後にもなっているアメリカでは、既婚男性で失業している人が多いし、失業しないまでも給与が削られたりより低収入の仕事に転職しなければいけなかったりする男性が多いぶん、女性の収入が家計全体に大きな意味をもってくる、というわけです。1970年には、既婚男性のうち自分よりも収入の高い女性と結婚している男性は4%だったのに対し、2007年には22%にまで上がっている、とのこと。ちなみに、全体的な結婚率は下がってきているものの、大学卒の女性のほうが、より低学歴の女性よりも結婚する率は高いのだそうです。これは、日本の感覚からすると、ちょっと意外なような気もしますが、これは、結婚や家庭のありかたやそれらに求めるものの日米の差によるものかもしれません。アメリカでは、教育程度が高く専門職につくような人ほど、結婚相手に、生活を共にするだけでなく精神的にも強く結びついた親友、「魂のパートナー」であることを求め、家庭を自分の価値観を体現する場として考える傾向が強いですからねえ。