7日発売の講談社の文芸雑誌『群像』に、「昔の恋人」という思わせぶりなタイトルの私の随筆が掲載されています。
私の知り合いのなかには、「もしかして俺のことが書かれているのか?」とドキッとしているかた、「あの人のことかな?それともあっちの人のことかな?」といろんな人物のことを思い浮かべているかたなどいるかもしれません。また、『ドット・コム・ラヴァーズ』の読者は、「あの本に出てきた人かな」と考えているかたもいるかもしれません。はたしてどうでしょう?是非、確認のため(?)ご一読を。
ちなみにこの随筆で取り上げた内容は、いつか書きたいと思っていたネタなので、今回「テーマは自由」という執筆の機会を与えていただいたのを機に書いてみました。いずれ、もっと字数が自由になる場で、さらにじっくり扱ってみたいと思っています。
ハワイ大学アメリカ研究学部教授、吉原真里のブログです。『ドット・コム・ラヴァーズーーネットで出会うアメリカの女と男』(中公新書、2008年)刊行を機に、アメリカのインターネット文化や恋愛・結婚・人間関係、また、大学での仕事、ハワイでの生活、そしてアメリカ文化・社会一般についての話題を掲載することを目的に始めました。諸般の事情により、2014年春から2年半ほど投稿を中止していましたが、ドナルド•トランプ氏の大統領選当選の衝撃で長い冬眠より覚め、ブログを再開することにしました。
2013年3月7日木曜日
2013年3月6日水曜日
第14回クライバーン・コンクール出場者発表
ヴァン・クライバーン氏の告別式が先週末フォート・ワースで行われ、元ブッシュ大統領を含め1400人もの参列者が見守るなか、20世紀を代表するピアニストのひとりがこの世から旅立っていきました。そのほんの数日後に、この5月から6月にかけて開催される、第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールの出場者が発表になりました。
フォート・ワース、ニューヨーク、香港、ハノーヴァー、モスクワ、ミラノで行われた厳しいオーディション(審査員だけでなく、生の聴衆の前で40分間のリサイタルを演奏する、という形式)を通過して、見事コンクールの舞台に立つことになった30名の若いピアニストたちの顔ぶれ、なかなか興味深いです。『ヴァンクライバーン 国際ピアノコンクール 』でも書いたように、ここ数回のコンクールではアジア勢の出場者の数が目立っていて、2009年には、一位の座を分けた辻井伸行さんと中国出身のハオチェン・チャン、そして二位は韓国出身のヨルム・ソンと、東アジアのピアニストが上位を占めましたが、今回の出場者30人のうち、アジア勢は6人のみ。うち三人が中国人、残りの3人はそれぞれ韓国、台湾、そして日本出身。日本からの出場者は、東京芸術大学在籍中の阪田知樹さん。(ちなみに30名のうち、阪田さんが最年少の模様。)国籍はアメリカでも出自はアジア、という人も数名いますが、とにかくいわゆる「アジア系」が出場者の半数以上を占めていた過去のコンクールと比べると、大きな変化です。また、30名のうち女性が6人にとどまっているのも興味深いです。(私が去年の夏にケベックの音楽祭で演奏を聴いたBeatrice Ranaも入っています。)それに比べ、ここ数回のコンクールではアメリカ国籍の出場者が少なかったのに対し、今回は8名。また、2009年のコンクールにも出場して今回再登場するのは、前回準本選まで出場したイタリアのAlessandro Deljavanひとり。こうした変化が、なにかコンクール主催者側の意図を反映しているのか、あるいは単なる偶然なのかは不明ですが、果して実際のコンクールがどのように展開されるか、興味津々です。
ちなみに、『ヴァンクライバーン 国際ピアノコンクール』で詳しく書いた、2009年コンクールのときにずっと隣で演奏を聴いて仲良くなった紳士は、フォート・ワースでのオーディションすべてに足を運び、ことこまかに感想をつづってメールしてくれました。彼の報告によると、ジュリアードで学んでいるSteven Linが要注目だそうです。写真を見る限りでは、なんだか嵐のメンバーでもおかしくなさそうな風貌ですが(笑)、はてさてどんな演奏が聴けるのでしょうか。クライバーン・コンクールについてのリサーチはひとまず終えたものと思っていたのですが、縁あってフォート・ワースにさらなる個人的なつながりができたので、今回もまたコンクールまるごと見学に行くことにしました。クライバーン氏本人が亡き後、そしてロジンスキ氏をはじめとする財団スタッフの顔ぶれががらっと変わってからのコンクールがどんなふうに展開されるのか、今から楽しみです。
フォート・ワース、ニューヨーク、香港、ハノーヴァー、モスクワ、ミラノで行われた厳しいオーディション(審査員だけでなく、生の聴衆の前で40分間のリサイタルを演奏する、という形式)を通過して、見事コンクールの舞台に立つことになった30名の若いピアニストたちの顔ぶれ、なかなか興味深いです。『ヴァンクライバーン 国際ピアノコンクール 』でも書いたように、ここ数回のコンクールではアジア勢の出場者の数が目立っていて、2009年には、一位の座を分けた辻井伸行さんと中国出身のハオチェン・チャン、そして二位は韓国出身のヨルム・ソンと、東アジアのピアニストが上位を占めましたが、今回の出場者30人のうち、アジア勢は6人のみ。うち三人が中国人、残りの3人はそれぞれ韓国、台湾、そして日本出身。日本からの出場者は、東京芸術大学在籍中の阪田知樹さん。(ちなみに30名のうち、阪田さんが最年少の模様。)国籍はアメリカでも出自はアジア、という人も数名いますが、とにかくいわゆる「アジア系」が出場者の半数以上を占めていた過去のコンクールと比べると、大きな変化です。また、30名のうち女性が6人にとどまっているのも興味深いです。(私が去年の夏にケベックの音楽祭で演奏を聴いたBeatrice Ranaも入っています。)それに比べ、ここ数回のコンクールではアメリカ国籍の出場者が少なかったのに対し、今回は8名。また、2009年のコンクールにも出場して今回再登場するのは、前回準本選まで出場したイタリアのAlessandro Deljavanひとり。こうした変化が、なにかコンクール主催者側の意図を反映しているのか、あるいは単なる偶然なのかは不明ですが、果して実際のコンクールがどのように展開されるか、興味津々です。
ちなみに、『ヴァンクライバーン 国際ピアノコンクール』で詳しく書いた、2009年コンクールのときにずっと隣で演奏を聴いて仲良くなった紳士は、フォート・ワースでのオーディションすべてに足を運び、ことこまかに感想をつづってメールしてくれました。彼の報告によると、ジュリアードで学んでいるSteven Linが要注目だそうです。写真を見る限りでは、なんだか嵐のメンバーでもおかしくなさそうな風貌ですが(笑)、はてさてどんな演奏が聴けるのでしょうか。クライバーン・コンクールについてのリサーチはひとまず終えたものと思っていたのですが、縁あってフォート・ワースにさらなる個人的なつながりができたので、今回もまたコンクールまるごと見学に行くことにしました。クライバーン氏本人が亡き後、そしてロジンスキ氏をはじめとする財団スタッフの顔ぶれががらっと変わってからのコンクールがどんなふうに展開されるのか、今から楽しみです。