これらのおかげで、「記事見たよ!」と、何年間(ときには20年くらい)も音沙汰のなかった旧友から連絡をもらったり、幼なじみのお母様から私の実家に電話があったりなど、ここ数日はa few moments of fameを経験しています。さすが全国紙の影響力はすごいものです。
また、記事を読んで早速本を買って読んだというかたから、ファンレターも届きました。なかでも、自分はゲイ、あるいはレズビアンで、このように日本人の異性愛者が同性愛について偏見なくまたカジュアルに語るということにとても感銘を受けた、というメッセージが、私にはとても嬉しかったです。ゲイの文化や恋愛・セックスについて書いた章は、私自身とくに思い入れのある章です。日本では、人種や社会階層などの問題についてかなりリベラルな考えをする人でも、同性愛のことになるとかなりの無知と偏見をもっている人が多いのに、私は以前から驚いていました。同性愛のことに限らず、性文化がアメリカと日本ではまるで違うので、それほど驚くことではないのかもしれませんが、日本にも同性愛者は少なからずいるわけですし、一般の人々がもう少しオープンに同性愛について考えるきっかけがあるといいなと思っていました。それで、あまり説教臭くないトーンで、本の残りの部分と同じように面白可笑しい話を盛り込みながら、ゲイの人たちを人間的に描こうと努めました。一面的なステレオタイプを生み出したり強化したりする結果になっても困るし、かといってある程度は一般化した話をしないとポイントが伝わらないしで、叙述のバランスにもだいぶ気を遣って書きました。でも、ゲイの友達が多いとは言え、私自身は異性愛者なので、LGBTの人々の体験や思いは、想像でしかわかりませんし、「ゲイとはこういうものである」などと私が語る資格もありません。ただ、自分が異性愛者だからこそ、異性愛者の読者に伝えられることもあると信じて書きました。そんなわけで、ゲイやレズビアンの読者に、こうして喜んでいただけると、「この本を書いてよかった」と思えます。
日本からくるメールには必ず、「とにかく暑い」と書いてあります。よっぽど暑いんですね。水分をたくさんとって、元気のつくものを食べて、残りの夏を乗り切ってください。