今週、ハワイ大学での講演その他の活動のためホノルルを訪れているのが、労働活動家のAi-Jen Poo。彼女は、個人の家でベビーシッターや老人介護や家事に従事する「家事労働者」「家政婦」「ケアワーカー」を労働環境を改善し、正当な賃金に加え残業手当や有給休暇を保証し、被雇用者を差別やハラスメントから守るため、こうしたケア労働者たちを組織し、彼らを守るための立法にむけてロビー運動を行う活動のリーダー。コロンビア大学卒業後(コロンビア大学在学中には、社会の多様性に対応したカリキュラムを要求する学生のハンガーストライキの一員で、この活動の結果として同大学にCenter for the Study of Ethnicity and Raceという研究センターが誕生しました。私が2003〜2004年にニューヨークでサバティカルを過ごしていたときに所属していたのがこのセンターです)、ニューヨークで家政婦として働く女性たちを組織する活動を始めた彼女。2000年に設立したDomestic Workers Unitedという団体の働きかけによって、2010年にニューヨーク州は全国初の「家政婦権利宣言(Domestic Workers Bill of Rights)」が立法化され、同州で働く約20万人の家政婦に基本的な労働基準法が適用されるようになりました。その後ニューヨーク州にならった立法をする州もあらわれ、現在ハワイ州でも同様の立法が州議会で審議されている最中で、委員会の会合にAi-Jen Pooも出席したそうです。2007年には、家政婦を組織する全国団体National Domestic Workers Allianceが設立され、彼女は2010年からそのディレクターを務めています。