2024年3月31日日曜日

東京大学グローバル教育センター教授に着任いたしました

 3月は『不機嫌な英語たち』プロモーションで、東京で怒涛のような1週間を過ごしました。今回もまたたくさんの出会いと刺激と発見があり、本を通じて人とつながることの喜びを新たにしました。

さて、お知らせがあります。

本日2024年4月1日から5年間の任期で、東京大学グローバル教育センター国際教育部門教授に着任いたしました。
…と言っても日本に丸ごと移住するのではなく、海外での経験を積んだ研究者を採用するため東大で新しく作られた制度によって、私はハワイ大学のポジションをキープしたまま、この先5年間にわたり半年ずつハワイ大と東大を行ったり来たりすることになります。
今日でちょうど開設1周年になるこのセンターの主な活動である、グローバル教養科目の拡充のお手伝いに加えて、大学の国際化にかかわるさまざまなプロジェクトの企画運営に携わる予定です。
東大はあれこれの問題を抱える大学だと思います(東大副学長でもあり、グローバル教育センター長でもある矢口祐人さんの『なぜ東大は男だらけなのか』を未読のかたは、是非ともお読みください)が、私は卒業生として大学に愛着はあるし、東大がやることは良かれ悪しかれ日本社会に影響を及ぼすと思います。私が在学中は想像もできなかったこのようなセンターが開設され、このようなポジションが新たに作られたこと自体が、東大の測り知れないポテンシャルを物語っていると思います。多様な人たちが新たな知を開拓する、オープンでダイナミックな大学として東大が発展していくお手伝いを少しでもできたらと思います。東大関係者に限らず、みなさまのお知恵を是非とも拝借したいので、アイデアをどしどしお寄せください。
日本で過ごす時間が長くなることで、自分の研究や執筆その他も新たに広がっていくのではないかと思います。どうぞあれこれお声がけください&お仲間に入れてください!
2024年秋学期はハワイ大学でのサバティカルにあたるので、1年目は変則的スケジュールで、まずは6月〜7月、その次は12月から来年の6月まで日本に行きますが、2年目からは基本的に1月から6月まで東大にいる予定です。 今後もどうぞよろしくお願いいたします!

2024年2月28日水曜日

『不機嫌な英語たち』トークイベントのお知らせ

 ハワイ大学は3月に1週間の春休みがあります。去年は『親愛なるレニー』のプロモーションで日本に行きましたが、今年は『不機嫌な英語たち』関連の「来日ツアー」を行います。

去年と同様、ラジオ番組の出演や収録、雑誌の取材や対談など、楽しみな予定がたくさん詰まっているのですが、公開のトークイベントがふたつあります。

3月19日(火)には丸の内の三菱ビル1FのイベントスペースHave a Nice Tokyo!(去年『親愛なるレニー』のイベントをしたのと同じ会場です)で、篠田真貴子さんとの対談、題して「海外で日常を生き抜くために必要なこと」。ビジネス界で大活躍、現在はエール株式会社取締役を務めている篠田さんとは学生時代からの友人なのですが、私と同様いわゆる「帰国子女」でもあり、私が彼女と知り合ったのはバブルの真っ最中の大学生時代に参加した国際学生会議でのこと。そんな背景もあり、越境や言語、文化、アイデンティティなどについて、話はおおいに盛り上がるはず。『親愛なるレニー』の絶大な理解者でもあり応援団長でもある篠田さんが、『不機嫌な英語たち』をどのように読み、どんなことを感じ取っているのか、聞くのを私自身とても楽しみにしています。

そして3月22日(金)には青山ブックセンターで、作家のグレゴリー・ケズナジャットさんとの対談、「言葉で語る、言葉を語る」。私はケズナジャットさんの『鴨川ランナー』『開墾地』を読んで、脳にも肌にも心にも沁みる作品だなあと深く感じ入ったのですが、ケズナジャットさんの作品と『不機嫌な英語たち』には思いもかけぬところでいろんな共通テーマがあり、なんだか合わせ鏡のようだと勝手に思っています。日本で暮らし日本語で小説を書くアメリカ人のケズナジャットさんと、アメリカで暮らし英語と日本語の両方で研究や執筆をする私が、それぞれ日本語(と幾分かの英語)で書いた私小説について語るとどんな話になるのでしょうか。

どちらのイベントでも、本の販売やサイン会も行います。もちろん、本をすでに読んでくださっているかたからの質問や感想も大歓迎です。ご都合のつくかたは、お誘い合わせのうえ是非ご参加ください。