『ドット・コム・ラヴァーズ』で、私が「サバティカル」中にニューヨークでいろんな男性とデートをした、と書いたので、読者のなかには、「サバティカル」というのは楽しい休暇だと思ってしまっている人がいるようですが、それは大きな間違いですよ!サバティカルというのは、あくまで、本来学者の中心業務である研究活動に集中するために与えられた仕事期間です。『ドット・コム・ラヴァーズ』の本題からはそれるので少ししか言及しませんでしたが、私が2003年から2004年にかけてニューヨークに住んでいたのは、アジア人と西洋クラシック音楽についての研究をするためで、音楽家のインタビューをしたり、レッスンやマスタークラスの観察をしたり、図書館で調べものをしたり、また私自身ピアノにふたたび取り組んだりと、毎日研究活動に勤しむあいまに、ときどきデートをしていたわけです。ホントですよ。その一年間にせっせとリサーチをした成果が、このMusicians from a Different Shoreになったわけです。昨年の刊行時はハードカバーだけでしたが、大学の授業で教科書として使われることをねらって、このたびペーパーバックが出ました。ハードカバーよりはかなりお手頃な値段で買えますので、興味のあるかたはどうぞ。
ちなみに、この本と『ドット・コム・ラヴァーズ』の両方に登場する人物は、ひとりだけいます。