2010年11月3日水曜日

中間選挙

アメリカの中間選挙は、予想通りの結果となり、下院では共和党が大幅に勝利して多数派となり、上院ではなんとか民主党が多数派を保ったものの、共和党を赤、民主党を青で示す全国地図で見ると、一気に真っ赤っかになってしまいました。オバマ政権の景気対策によっても思うように失業率が下がらず経済は低迷を続けていることへの苛立ち、反対派がObamacareと称して攻撃する健康保険制度改革への反発などが、以前も言及したTea Partyなどの新しい動きや共和党への回帰となって表れた結果ですが、今回の選挙戦の言説は、2年前と比べてあまりにも次元が低く、がっくりするものでした。憲法で政教分離が定められていることを知らなかったデラウェア州のChristine O'Donnellや、強姦や近親相姦による妊娠でも中絶を禁ずるという立場をとる極右のネヴァダ州候補Sharron Angleが落選したのはほっとしましたが...確かに、経済状況は依然としてきわめて悪く、人々が苛立つ気持ちも理解はできるものの、もしもオバマ大統領が2年前に政権をとらず、ここ2年間の政策が施行されていなかったとしたら、今よりどれほど悪い状況になっていたかということを、冷静に考えずに、反動で共和党に流れてしまうのだとすると、頭が痛いです。この結果によって、オバマ政権は議会との関係の強化、そして2年後の選挙対策によりエネルギーを投入しなくてはいけなくなり、それにはメリットがなくもないものの、肝心の政策施行に向けられるリソースが減ってしまうと困る...

伝統的に民主党の強いハワイでも、下院、州知事ともに、民主党はかなり危ないと言われていたのですが、下院は州上院議員のColleen Hanabusaが若手の共和党現職Charles Djouを破り、知事はNeil AbercrombieがLinda Lingleのもとで副知事を務めてきたDuke Aionaに大差で勝利して、民主党が堅持したので、こちらはとりあえずほっとしています。