2010年11月13日土曜日

五嶋みどり&ニューヨーク・フィル

昨晩は、アラン・ギルバート指揮のニューヨーク・フィルが五嶋みどりと共演するのを聴いてきました。普段のリンカーン・センターでの公演とは違ってこの日はカーネギー・ホールでの演奏会。リンカーン・センターのエイヴリー・フィッシャー・ホールは数回にわたる設計修正にもかかわらず音響がいまいちだと音楽家たちにも聴衆にも悪評なのに対して、カーネギー・ホールは音響は抜群。ただし、私が買うような最上階の安いチケットの席は、ほんとうに信じられないくらい席が狭く、座っていても足をけっこう内側にしまいこまないといけないくらい前の席が詰まっている。身体の大きな西洋人はいったいどうやってコンサートのあいだじっとしているんだろうと不思議です。で、肝心の演奏ですが、この日の演目は、前半はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、後半はジョン・アダムズ(『現代アメリカのキーワード 』に項目がありますので参考にしてください)の交響曲Harmonielehreだけという、なかなか興味深いプログラミングでした。五嶋みどりのベートーヴェンは、線の細い内省的な演奏で、かなりびっくりしました。聴衆も息をこらして集中して聴くことを要求するような演奏で、わっといわせるタイプの力強い演奏とはまるで違うのですが(それでも聴衆はわっといっていましたが)、いろいろな意味で複雑であったに違いない五嶋みどりのこれまでの人生が表れているようで、独特の感動がありました。ジョン・アダムズの曲は初めて聴きましたが、音の層の重なり具合がなかなか面白くて、私はけっこう楽しみました(一緒に行った友人のひとりは、曲が始まって数分後にすっかり興味を失ったそうですが)。アラン・ギルバートがニューヨーク・フィルの指揮者になってから初めて聴きましたが、コンサートの後で一緒に飲みにいった、オケのメンバーである友達によると、ギルバートは音楽的な指示も実に的確だし、彼が指揮するようになってからオケ全体も確実に腕が上がっている、とのことでした。

天気がいい(寒くないニューヨークというのは本当にありがたいものです)ので、今泊めてもらっている家の近くをさっきしばらく散歩してきましたが、ニューヨークの街並は20世紀初頭またはそれ以前に建てられた重厚な石やれんがの建物が多く、また、建物の入口の扉や窓の鉄枠などもよく見るとなかなか凝ってお洒落(すべてが趣味がいいわけではないですが、凝っているものは多い)で感心します。遊歩道を歩いたり走ったりしている人がみんな川のほうを見ているのに、私ひとりだけ人の家の建物の窓の写真などを撮っていても、誰ひとり変な顔ひとつしないのが、やはりニューヨーク。






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