ちなみに、今日は『ドット・コム・ラヴァーズ』に出てくる「ジョナサン」とランチをしました。彼とは『ドット・コム・ラヴァーズ』で書いた交際の以後も、ときどきメールをやりとりしたり、私がニューヨークに来たときは会ったりする、いい友達関係が続いているのですが、今回会ったのは数年ぶりでした。学問とは関係のない仕事をしているにもかかわらず、二冊めの著書、それもきちんとした研究にもとづいた本を大学出版から出すことが決まっており、今編集作業中だということ。誰にも頼まれず、「昼間の仕事」の足しにもならないのに、自分のやりたいことをしっかりと続けてそれを形にしている人は、素敵な年齢の重ねかたをしているなあと思いました。彼と私はとても「ケミストリー」がいいので、同じ街に住んでいたら長期的な関係になっていたんじゃないかという気がします。そんなことを言っても仕方ないですが...
さて、今日は、ブロードウェイで、Time Stands Stillというお芝居を観てきました。このブログでも何度か言及しているように、私のもっとも好きな女優はLaura Linneyで、何年か前に彼女が主演したブロードウェイのSight Unseenというお芝居も観たのですが、今回の作品はSight Unseenと同じ脚本家David Marguliesによるもの。ジャーナリストと報道カメラマンとして中東などの戦場をまわる男女が、想像を絶する惨劇を目撃して自ら心身に傷を負いアメリカに戻ったあと、その傷とどのように向き合い、自分の人生や自分にとって大事な相手と距離をはかっていくか、というテーマなのですが、脚本も演出も演技も実に素晴らしく、公演中は劇場全体が息を詰めてしーんとなっていました。登場人物四人それぞれの愛情も弱さもひたむきさも痛いほどわかり、それぞれに共感できるし、最後が実に切ない。Laura Linneyの演技はさすがで、さらにファンになってしまいました。もう一度観たいくらいです。ニューヨーク在住のかた、またはニューヨークを訪問する予定のあるかたには、是非ともおすすめです。