この記事によると、一人暮らしは孤独というイメージはまるで時代錯誤で、都市文化とコミュニケーション技術などにより、一人暮らしの生活は自由と刺激に満ちたきわめて魅力的なものになっている、とのこと。そして、さまざまな調査によると、家族持ちの人よりも一人暮らしの人のほうが、友達や近所の人たちとのつきあいや外出が多く、全般的に社交的である、とのこと。それはまあ、配偶者の都合に合わせたり子供の面倒をみたりする必要がない一人暮らしは、自由になる時間が多いのだから、それはまあ当たり前だろうとは思いますが、ここで面白いのが、インターネット・メディアの役割。インターネットや携帯電話が人々の社交生活にもつ役割についての2008年の調査によると、インターネットは人との触れ合いを減らすどころか増やす結果になっている、とのこと。部屋でひたすらコンピューター画面に向かって黙々とネットサーフィンをしているような人は、友達のいないオタク的な人かと思いきやそうではなく、ネットをたくさん使う人ほど、幅広く多様な社交ネットワークをもち、公園やカフェやレストランに頻繁に出かけ、さまざまな視点や価値観をもった人々とつきあいがある、とのこと。
フムフム、そう言われると、ネットに使う時間が多すぎると日頃感じている私の罪悪感も少し和らぐ気持ちがしますが、これと関連して、今日のニューヨーク・タイムズで大きく取り上げられているもうひとつのが、シェリル・サンドバーグについての記事。シェリル・サンドバーグは、マーク・ザッカーバーグの右腕としてフェースブックのCOOを務めている、まさに時の人。2011年のフォーブズ誌の「現在もっとも影響力のある世界の女性100人」のリストでも、第5位に選ばれています。ハーバード在学中にローレンス・サマーズ(『現代アメリカのキーワード』
サンドバーグ自身もとても面白いのですが(昨年7月の「ニューヨーカー」に、彼女についてのとても興味深い長文記事がありますのでぜひどうぞ)、それはともかくとして、おひとりさまについての記事との関連で面白いのが、フェースブックをはじめとするSNSの利用者としての女性の位置づけ。サンドバーグについての記事によると、フェースブックで、近況アップデート、メッセージ、コメントなどといった機能の62パーセントは女性が使っている。平均するとフェースブックの利用者は女性のほうが男性よりも「友達」が多く、フェースブックに使う時間も多い。初期の頃は、女性のほうがフェースブックに写真をアップロードしたり「グループ」に参加したりウオールに投稿したりする割合が高かった、とのこと。女性のほうが男性よりも人とのつながりを重視する、というデータはいろいろな研究で出ていますが、フェースブックにもそういう傾向が表れるのかというのはなかなか興味深く、ニューメディアの利用者としてだけでなく、ニューメディアを開発したり運営したりする側にも、女性の役割が大きくなってくるのかもしれません。
しかし、このブログを書くためにあちこちネットサーフィンをして、私の本日のネット時間はかなり使ってしまったので、そろそろ別の活動に移ります。