2008年7月14日月曜日

出版記念パーティ、亀井俊介先生叙勲祝賀会・結婚アドバイス

先日11日(金)に、駒場にて『ドット・コム・ラヴァーズ』出版記念パーティをしました。来てくださったかたがた、どうもありがとうございました。おかげさまで、とても楽しい集まりになりました。アメリカのパーティの様子は『ドット・コム・ラヴァーズ』でも少し書きましたが、アメリカのパーティ式の、知らない者同士が集まって話をするような社交の場は、日本にはほとんどありません。今回のパーティは、私の中・高時代、大学時代、そしてブラウン大学院時代の友達と、そして仕事関係やその他のところで知り合った友達など、いろいろ別な方面の人たちが一緒になり、しかもそのほとんどはアメリカ式のパーティを経験したことがない人たちだったので、はたしてこうした形式の集まりがうまくいくものかどうか、少し心配していたのですが、そこはやはり皆さん大人で、初対面の人同士も仲良く歓談して、楽しいひとときになりました。私がピアノを弾くということを話で聞いたことはあっても、実際に私が弾くのを聴いたことがない人も多かったので、少しピアノ演奏もしました。『ドット・コム・ラヴァーズ』にちなんで、私が勝手に恋愛関係のテーマをつけた小曲を6曲弾きました。ちなみにその6曲とは、シューマン「アラベスク」、ドビュッシー「La Plus que Lente」、バーバー「Souvenirs組曲より Pas de deux」、同じくバーバー組曲より「Hesitation-Tango」、ラフマニノフ「エレジー」、シューベルト 即興曲変ト長調でした。テーマはそれぞれ、「出会い」、「戯れ」、「疑念」、「浮気」、「別れ」、「成長」です。何人かのかたがたに、スピーチもしていただきました。それぞれ、本から読みとれるアメリカ像や恋愛論、吉原真里像などを、とても的確に語ってくださって、とても嬉しかったです。

パーティのさい、『ドット・コム・ラヴァーズ』についての感想やコメントを書いてくださったかたがいますが、その中で、数人のかたが、「そのヘアカットと眼鏡にああいう意味があったとは知らなかった。でも効果は疑問」という主旨のことを書いていました。ガックリ。どうもなめられっぱなしだなあとは以前から感じていましたが、どうせ効果に関係ないのなら、他の人がいいと思うものよりも、自分がセクシーでファンキーだと信じているスタイルを続けます。

昨日、7月13日(日)には、私の大学時代の恩師、亀井俊介先生の叙勲祝賀会が原宿でありました。私は亀井先生の遊び相手代表としてスピーチをしました。なんだかこのスピーチが大ウケだったようで、亀井先生ご本人はもちろん、ほかの長老先生がたに大いに気に入られてしまった私は、2次会3次会まで合わせて計12時間もおつきあいすることとなりました。私は、自分のジェンダー観に反するような媚びた行動をとらない割には、日頃からおじさまたちにはとてもモテるのですが、自分で言うのもなんですが、この日のモテモテぶりは格別で、まるで長老のアイドルでした。このくらい、40代の独身男性にも愛されるといいのですが...それはともかく、亀井俊介先生は、アメリカ文学・文化史・日米文化交流史などの分野での大家で、重厚で画期的な研究書を若いときにお出しになったばかりでなく、平易でかつ読者を引き込む文体でアメリカ文化を語る著書を、ほんとうに数えきれないくらいお出しになっています。現在75歳で、東大退官後は岐阜女子大で教えていらっしゃいます。数年前に私が東京でデートしたとき、「これからじっくり勉強し直してアメリカ近代詩についての本を書く」をおっしゃっるのを聞いて私は恐れ入りました。現在もまったく衰えぬエネルギーでお仕事を続けておられ、アメリカ文化史の本を執筆中です。

ところで、数日前の「ニューヨーク・タイムズ」の論説欄に、この記事が載りました。結婚に関するアドバイスです。この記事を書いたMaureen Dowdは、女性・ジェンダーを初めとして政治・社会問題ひろく一般に、辛口批評をする、「ニューヨーク・タイムズ」の人気論説ライターです。「ニューヨーク・タイムズ」の記事は、調査の点でも分析の点でも、本当に一流ジャーナリズムの名に値する立派な記事が多く、ファッションや料理などのより「軽い」欄も、実に見事な読み物です。また、「ニューヨーク・タイムズ」の論説を毎日読むだけでも、かなりの勉強になります。英語を読む力をつけるには、自分が興味のある題材についてのきちんとした英文を定期的に読むことが効果的ですので、ふだん英語を読むことに慣れていない人は、「ニューヨーク・タイムズ」のなかで自分の好きな部分を定期的に読むことをおススメします。今は、記事のすべてがネットで無料で読めるほか、紙の新聞にはない、ビデオや写真なども見られます。こうしたサイトの充実ぶりは、日本のほとんどのメディアとはまるで比較になりません。こんなにオンライン版を充実させたら、紙の新聞が売れなくなるだろうと思うのですが、オンライン版を発達させることが、社全体のパワーアップにつながると判断してこうなっているのでしょう。この記事は、「軽い読みもの」の部類ですが、結婚に関するアドバイスということで、『ドット・コム・ラヴァーズ』に興味をもって読んでくださったかたなら誰にでも関心のある話題でしょう。文化・社会を問わず「普遍的」と思えるアドバイスもありますが、アメリカならではと思えるものもあります。それぞれのアドバイスに、自分が賛成するか反対するか、考えてみましょう!