ハワイ大学アメリカ研究学部教授、吉原真里のブログです。『ドット・コム・ラヴァーズーーネットで出会うアメリカの女と男』(中公新書、2008年)刊行を機に、アメリカのインターネット文化や恋愛・結婚・人間関係、また、大学での仕事、ハワイでの生活、そしてアメリカ文化・社会一般についての話題を掲載することを目的に始めました。諸般の事情により、2014年春から2年半ほど投稿を中止していましたが、ドナルド•トランプ氏の大統領選当選の衝撃で長い冬眠より覚め、ブログを再開することにしました。
2009年12月18日金曜日
海兵隊がやってくる
数日前に、普天間飛行場のグアム移転案について言及しましたが、すでに決定されている8000人の米海兵隊員のグアム駐留がもたらすインパクトについて考察した番組が、アメリカの公共放送であるPBSで放送されました。今ならインターネット上でビデオが観られます。(こういうものが無料でインターネットで観られるなんて、本当に便利な世の中になったものです。)タイトルは、The Marines Are Landing、つまり「海兵隊がやってくる」です。25分足らずの短い時間のなかで、さまざまな視点を紹介しています。島における米軍の存在が急速に拡大することが環境や社会インフラや文化にもたらす負担を住民が認識しながらも、長い植民地化と軍事化の歴史のなかで、米軍への憧れや依存が島民の意識や生活の奥底にまで浸透しまってもいる。アメリカ国民であり、アメリカ本土よりも米軍志願率が高いほど米国への忠誠心をもちながらも、住民は大統領選には投票することができず、国家間の協定や交渉において住民の声は聞いてもらえない。そうした複雑な状況を、効果的にまとめたいい番組ですので、よかったら観てみてください。アメリカの州となって50周年を迎えるハワイとは、違うこともありますが、共通する点も多いです。