2011年9月21日水曜日

Troy Davis死刑執行

全国で強い反対運動が起こるなか、つい一時間ほど前、ジョージア州でTroy Davis被告の死刑が執行されました。Davis氏は、1989年に警官を射殺したとして有事判決を受け、以来3回死刑執行の直前にまで行っていました。しかし、もとの判決に使われた物的証拠がきわめて信頼性の低いものであったことや、証言をした目撃者の数人が証言を取り下げたことから、死刑に反対する団体や、アメリカの裁判制度や処刑制度の問題点(とくに、処刑制度に内在する人種差別)に抗議する団体などが、Davis氏の死刑をとりやめさせるための運動を続けてきました。とくに今回の処刑に至るまでには、インターネット上で幅広い署名運動が繰り広げられ、私のところにもメールやフェースブックを通じて各方面から署名の依頼がきました。その結果、63万以上という記録的な数の署名が集められ、死刑執行の予定時刻の直前になって連邦最高裁が数時間この案件を検討したものの、結局、執行を取り下げることはせず、予定時刻より4時間遅れてDavis氏は他界したとのことです。


死刑にかんしては、日本を含め世界中でさまざまな立場から議論がありますが、アメリカではとくに、歴史的に刑事裁判や処刑制度が人種と密接に絡み合っていて、奴隷制度の延長ととらえる見方も多くあります。以前にもこのブログで紹介した、私の同僚Robert PerkinsonによるTexas Tough: The Rise of America's Prison Empireが、テキサスの例を中心にそのあたりの歴史を鮮明に描いています。この本はPENのノンフィクション賞を受賞するなど、とても大きな反響を呼んでいます。あまりにも恐ろしい歴史が生々しく描かれているので、読んでいてなかなか辛くなる本ですが、アメリカの歴史を理解するにはこうしたものもとても重要ですので、是非どうぞ。



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