ホノルル時間で明日2/6(月)の午後6:30−7:30、AMラジオのKZOO放送のThinking Out Loudという番組にゲスト出演いたします。KZOO放送というのは主に日本語の番組を放送している局で、10年前にハワイ大学の教員がストをしたときに私は教員の立場から話をするように局によんでいただいたことがあります。今回出演するThinking Out Loudというのは、ハワイ大学がJapanese Cultural Center of Hawaiiと提携して製作している英語の番組で、毎回ホノルルの日系コミュニティに関連ある話題をとりあげ、ゲストを招いて話を聞くというトークショー形式の番組です。
司会のひとりをしているのが、私の友人のChristine Yano。彼女はハワイ大学の人類学部で現在学部長を務めているのですが、驚愕するくらい次々と研究書を出し、しかもその一冊一冊がむちゃくちゃ面白く、私は何度も授業で彼女の本を使っています。もともとは日本を専門とする文化人類学者で、なんと演歌の研究であるTears of Longing: Nostalgia and the Nation in Japanese Popular Songという本が第一作ですが、その後はハワイの日系コミュニティを扱った研究が続き、次作のCrowning the Nice Girl: Gender, Ethnicity, And Culture in Hawaii's Cherry Blossom Festivalは、ホノルルの日系いわゆる「美人コンテスト」をフィールドワークの題材とし、戦後のハワイの日系コミュニティを支配する価値観について痛快な分析をしています。そして、昨年出版されたのがCrowning the Nice Girl: Gender, Ethnicity, And Culture in Hawaii's Cherry Blossom Festival。これは、1955年に今はなきパン・アメリカン航空が東京路線開始に際し「コスモポリタン」なサービスを提供するために採用された日系2世(実際は2世ではない女性も採用された)のスチュワーデス(「添乗員」といわずあえて「スチュワーデス」というのにも意味がある)たちの研究。これがまたむちゃくちゃ面白く、今学期私が教えている大学院の授業(これについてはまた別のときに投稿しますが、アジア系アメリカ研究の授業で、とくに職業文化に焦点をあてています)でも課題としています。彼女の書くものは本当にどれも、ピカリと光る感性と鋭い知性に満ち、そして理論的なことを明解な美文で説明し、生身の複雑な人間模様を丁寧に描いていて、読んでいて幸せな気持ちになります。そして、彼女はひとりの人間としても、いつもポジティヴなエネルギーに満ちていて、いろいろなことに好奇心旺盛で、人柄は明るく、彼女と一緒にいるとこちらも元気になってくるような、素晴らしい人です。で、その彼女に「ゲストで来てくれない?」と頼まれたので、あまり得意ではない生放送に出演することになってしまいました。
明日の番組では、3/11の震災を日本で経験した者として、個人的な体験や気持ちを振り返ってほしい、とのこと。震災については感じること考えることが本当に多く、1年がたとうとする今となっても頭のなかで何をどう整理してよいものやらわからない、というのが実際のところですが、そういう正直なところを話すことにも意味があるかもしれないと思ってお話しに行ってきます。リスナーからの質問やコメントも受け付ける番組ですので、ホノルル在住のかた(でなくてももちろんOK)は番組放送中にお電話をどうぞ。放送前そして放送中にメールでも受け付けるようですので、日本やその他の地域にいらっしゃるかたでもどうぞ。番組は英語ですが、ゲストが私ですから、日本語での質問やコメントにも対応いたします。
KZOO AM 1210
Tel: 1 (808) 941-5966
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