今朝、ニューヨーク・フィルハーモニーの音楽監督アラン・ギルバートについての文章を書いていたら、ちょうどその最中に友達から、「この記事見た?」とメールで送られてきたのがこの記事。「アジア人はクラシック音楽を救えるか?」というタイトルで、アラン・ギルバートがニューヨーク・フィルを指揮をしているところの写真が掲載されている。しかも、ギルバートの後ろには、ヴァイオリンやチェロを演奏する数多くのアジア人の姿も見える。記事によると、クラシック音楽の聴衆はどんどん年齢が上がり、そのうちにコンサートに足を運ぶ人たちがみな死に絶えてしまうのではないかとすら思えるなかで、二十歳前後という年齢層でも確実にクラシックのコンサートに通い続けているのがアジア系。クラシックの聴衆にこれだけアジア系が多いということと、クラシックを学ぶ生徒にアジア系が多いということは密接に結びついている...という話のなかで、私の著書Musicians from a Different Shore: Asians and Asian Americans in Classical Musicが引用されています。さわりの部分だけちょろっと読んで適当な引用のしかたをする記事も少なくないですが、この記事の著者はかなりきちんと読み込んでいるようで、歴史的な背景や現代アメリカのクラシック音楽界におけるアジア人の位置づけについても、私が書いたことをきちんと理解してくれています。(唯一、鈴木メソッドについての部分だけは、私が言おうとしていたこととはずいぶん違う記述になっていますが、この部分は私の本を引用しているわけではないのでまあよしとしましょう。)嬉しや嬉しやとフェースブックに記事を投稿している最中に、なんと記事の著者から、「記事を書くのに貴方の本がとても参考になりました。どうもありがとうございました」とのメールが届きました。なかなか興味深い記事なので、よかったら読んでみてください。
ちなみに、この記事で、ホノルル・シンフォニーが倒産したことが言及されていますが、つい数日前に、元ホノルル・シンフォニーが新しい組織のもと、ハワイ・シンフォニー・オーケストラという名前で復活し、来月から演奏を再開するということが発表されました。私は友達の多くがホノルル・シンフォニーのメンバーで、生活に困りながらもさまざまな音楽活動を続けている彼らを応援しているので、これは大きな朗報。3月4日の最初のコンサート(ちなみに指揮は大友直人氏)には、大勢で一緒に出かけて「Welcome Back, Symphony!」という垂れ幕でも持って行こうか、などと話しているところです。