2021年8月8日日曜日

「アジア人ですが、なにか? 〜クラシック音楽と人種・ジェンダー・文化資本の力学」オンラインセミナー 8/22(日)より全3回

 南カリフォルニアで2週間を過ごし、10日前にホノルルに戻ってきたのですが、デルタ株によりハワイでは(も)新規感染者数が猛烈な勢いで増えています。ロスでは満員(!)のハリウッドボウルでデュダメル指揮、ヴァイオラ・デイヴィスのナレーションによる「ピーターと狼」を聴いてきましたが、今ではもう何時間も飛行機に乗ったりたくさんの人が集まるところには行く気にならず、行ける間に行っておいてよかったです。

さて、2週間後の8/22(日)より全3回で、オンラインセミナーをします!題して「アジア人ですが、なにか? 〜クラシック音楽と人種・ジェンダー・文化資本の力学」。読んでいただいているかたにはすぐわかるように、拙著『「アジア人」はいかにしてクラシック音楽家になったのか? –– 人種・ジェンダー・文化資本』をもとにした内容です。この本が日本語で刊行されたのは2013年、原著である英語版が出たのが2007年、そしてメインのフィールドワークをしたのが2003〜2004年なので、それ以来けっこうな年月が経っているのですが、興味深いことに、ここ一年間立て続けに、このテーマについての取材や講演や執筆の依頼を受けています。つい最近も「ズーカーマン事件」とも呼ぶべき出来事があり、それを受けてニューヨーク・タイムズに掲載された記事でも、名前は載りませんでしたがかなり長時間の取材を受けました。クラシック音楽界におけるアジア人の活躍がさらに広がっているだけでなく、ブラック・ライヴズ・マター運動の流れの中で文化芸術界にもさまざまな問いかけがなされるようになり、また、コロナ禍で急増しているアジア人への暴力などの状況において、「西洋のもの」とされているクラシック音楽における「アジア人」の位置づけや、音楽と人種の関係といった問題が改めてレレバンスを持ってきているのを実感しています。

本を読んでいないかたにもわかりやすいように内容を紹介しながら、本の刊行後のクラシック音楽界やアメリカ社会の展開も視野に入れ、また、自分で本を振り返っての反省や、「今この本をアップデートするならこんな風に」といった話もするつもりです。聞き手は、去年のオンラインセミナーと同じく、坂元勇仁さんが務めてくださいます。見逃し配信もありますので、リアルタイムでの参加ができないかたも、ふるってお申し込みください!質問・コメント大歓迎です!

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