2011年6月19日日曜日

竹澤恭子さん、カッコいい〜

ここのところ、毎日のようにいろいろなコンサートに行っているのですが、昨日はサントリーホールのチャンバーミュージック・ガーデンの最終コンサートに行ってきました。メナヘム・プレスラー、竹澤恭子、豊嶋泰嗣、堤剛という豪華なメンバーで、シューマンのピアノ四重奏曲、ドホナーニの弦楽三重奏のためのセレナード、ドヴォルザークのピアノ四重奏曲第2番というプログラム。シューマンのピアノ四重奏曲はいつか自分が弾いてみたいと楽譜を買って、アンダンテ・カンタービレだけ譜読みはしてあるものの、一緒に弾いてくれる人が見つからずにそのままになってあるのですが、昨日の演奏はもう涙が出るほど美しく、天国にいる気分でした。プレスラー氏の演奏はBeaux Arts Trioがハワイに来たときに一度聴いたことがありましたが、なにしろ信じられないほど柔らかく静かな音でありながら実にクリアで、「これぞ音楽!」という神髄を感じさせられます。87歳という年齢でこの鋭い耳と指とは、驚嘆。2009年のクライバーン・コンクールのときにインタビューもさせていただいたのですが、忙しいスケジュールのなかひとりひとりに実に丁寧に真摯に接してくださって、そこもまた感動。

それにしても、昨日のコンサートで私は改めて竹澤恭子さんに惚れ直しました。ラフォルジュルネのときに聴いた彼女のソロもパワーと叙情性に満ちていて素晴らしかったけれど、室内楽での演奏も絶品。彼女の出す音には底力と主張が自然に表れているのだけれど、それが他の演奏家たちと見事にアンサンブルをなしている。なにしろカッコいい。演奏も最高だし、笑顔や身のこなしに、つねに高きものを目指している人ならではの風格と謙虚さと美しさがあって、私にとって40代の女性の理想は彼女のような人物。本当の美しさというものを、全身で体験させていただいた思いでした。

このコンサートをはさんで、先週末から今日にかけては、邦楽づくめ。先日は三橋貴風氏の尺八とパイプオルガンのアンサンブルという実に面白いコンサートに行き、今日はお箏の演奏会に行ってきます。