2009年12月24日木曜日

米上院、健康保険法案を可決

米時間木曜日、連邦政府上院が、現行の健康保険制度を抜本的に改革する法案を可決しました。まったくもってやれやれです。オバマ大統領が政権の最大目標のひとつとして掲げていた皆保険制度は、保険業界の利権や保守派からの猛烈な反対を受けて、議論は修羅場となってきましたが、類似の法案を先月下院が可決、クリスマスを前にこの法案を上院が可決したことで、オバマ大統領や故テッド・ケネディ上院議員が目指していた健康保険改革のうち最低限の項目は実現することになりそうです。この法案によって、保険会社は、保険加入希望者の過去や現在の疾患を理由に加入を拒否することや、性別や健康状態によって保険料をあげること、また、加入者が病気やケガをしてから保険を取り下げることなどができなくなります。また、この法案によって、現在保険に加入していない3100万人の人々に保険が手に入るようになります。連邦政府の権限拡大という意味では1930年代のニューディール以来と言われるほど、健康保険改革はアメリカにとって重要な案件ですが、連邦政府がスポンサーとなる保険制度への反対の強さには、日本の感覚からすればまったくもって不可解なものがあります。今回の法案も、可決されたとは言え、票は政党ラインではっきりと分かれ、つまり共和党議員はひとりもこの法案に可決票をしませんでした。共和党中道派のメイン州のオリンピア・スノウ上院議員は、両党が協力して保険改革を実現させることを目指して活動を続けてきましたが、それにはまだ長い道のりがありそうです。

それにしても、日本のクリスマスは、当たり前ですがアメリカ本土のそれともハワイのそれともまるっきり違いますね。『ドット・コム・ラヴァーズ』でも書いたように、アメリカのホリデー・シーズンは、家族や親戚と過ごすものなので、それにまつわるストレスや悲喜劇も多いのですが、一緒に過ごす人がいなかったりどこにも招待されていなかったりする人にとっては、それはそれで孤独感を刺激する時期でもあります。日本は、まあもちろん家族や恋人や友達とプレゼント交換をしたりケーキを食べたりして楽しく過ごす人たちも多いのでしょうが、あまりにも見事に宗教的な要素が欠落しているので、私などは、こうした商業的なクリスマスのありかたに、首を傾げると同時に妙な解放感を感じたりもします。クリスマスをやらない、ということに、なんの寂しさも感じないからです。というわけで、これからちょっと家の掃除をしてから、授業がないあいだにしかできない仕事に取りかかります。