アメリカは木曜日がサンクスギヴィングの休日でした。友達の家でのパーティを2軒はしごして、たくさん七面鳥を食べました。これからクリスマスにかけて本格的なショッピングシーズンですが、不況がどれだけ消費者の財布のひもに影響するのか、注目されるところです。
というわけで、同性婚の合法化を提唱する活動家は、黒人人口、とくに黒人女性の支持をとりつける努力をするべきだ、との論旨です。その過程で、同性婚の権利を異人種間結婚(アメリカの多くの州では、20世紀後半にいたるまで、法律上は異人種間の結婚が禁じられていた)にたとえて議論を進めるのは得策ではない。非黒人男性と結婚する黒人女性の割合は、非黒人女性と結婚する黒人男性のほぼ三分の一であることにも見られるように、多くの黒人女性は、黒人が非黒人と結婚することに否定的であるからだ。また、聖書の内容について議論しようとするのも得策ではない。信仰というのは論理で成り立っているものではないからだ。そして、過ぎ去った時代の性的道徳を、現代の性文化に適用することの危険性について、より広い観点から議論するべきだ。とのこと。
同性愛に否定的な黒人人口の態度は、同性婚の合法化のほかにも、深刻な影響があるとBlow氏は指摘しています。同性愛が間違っているとの道徳観のもとで育った黒人のうち、それでも同性愛指向をもつ人は、きわめて危険な性行為に走りがちで、黒人人口におけるH.I.V.の流布に結びつく。実際、H.I.V.に感染した女性のうち、自分の性パートナーがバイセクシュアルであるということを知っていたのは6%で、同じ立場の白人女性の14%という数字の半分以下である、と。
敬虔なキリスト教信者がみな保守的であるわけでもないし、聖書にもとづいた神学的分析と現代の文化や社会問題をめぐる真剣な議論がまったく対立するわけでもないので(私の同僚にも、カトリック神学の学位をもつレズビアンで、宗教とセクシュアリティについての研究や授業をしている、人間としても学者としてもとても立派な女性がいます)、Blow氏の論には100%賛成はしかねますが、こうした論説からは、アメリカにおいて、人種・宗教・セクシュアリティといった軸が、実に複雑に絡み合っていることはよくわかります。