「ハーヴィ・ミルクの話を聞いたとき、僕は希望をもちました。自分がありのままの人間として生きられるという希望、そしていつの日か、自分が恋愛をして結婚することもできるという希望です。周りから僕を愛さないようにというプレッシャーのなかでもいつも僕のことを愛してくれたお母さんに感謝しています。そしてなによりも、もしもハーヴィの命が30年前に奪われていなかったら、おそらく彼は僕に今夜、自分たちが通っている教会や自分の政府や家族にないがしろにされてきた、世界じゅうのゲイやレズビアンの子供たちに、こう伝えろと言ったと思います。君たちは、美しく、かけがえのない素晴らしい人たちなのだ、そして、誰がなんと言おうとも、神様は君たちのことを愛しているのだ。そして必ず、この我々の立派な国じゅうで、連邦政府のもと、対等な権利を君たちも手に入れる日がじきにくる、ということを。ハーヴィ・ミルクを僕たちに与えてくれた皆さん、そして神様、どうもありがとう。」
ハワイ大学アメリカ研究学部教授、吉原真里のブログです。『ドット・コム・ラヴァーズーーネットで出会うアメリカの女と男』(中公新書、2008年)刊行を機に、アメリカのインターネット文化や恋愛・結婚・人間関係、また、大学での仕事、ハワイでの生活、そしてアメリカ文化・社会一般についての話題を掲載することを目的に始めました。諸般の事情により、2014年春から2年半ほど投稿を中止していましたが、ドナルド•トランプ氏の大統領選当選の衝撃で長い冬眠より覚め、ブログを再開することにしました。
2009年2月22日日曜日
アカデミー賞いろいろ
このブログで紹介した映画がたくさんアカデミー賞を受賞して、なんだか嬉しいです。いろんな賞を『スラムドッグ・ミリオネア』が総なめ状態でしたが、私は『おくりびと』
が外国語映画部門、『ミルク』のダスティン・ランス・ブラックとショーン・ペンがそれぞれ脚本部門と主演男優部門を受賞したのがとても嬉しいです。ダスティン・ランス・ブラックは、1974年生まれで、テキサスのモルモン教の家庭に育ったゲイの活動家・脚本家・映画監督という、複雑な背景をもつ人物です。モルモンのコミュニティで育ちながらゲイとしてカム・アウトする人たちの苦悶は、トニー・クッシュナーの演劇・映画『エンジェルス・イン・アメリカ 』
(これはとても重要な作品ですので、よかったら是非DVDで観てみてください)などでも取り上げられていますが、同性愛者の信仰をどのように扱うかという問題は、モルモン教にかぎらず、さまざまなキリスト教宗派が教会の存続をかけて議論しているところです。受賞スピーチのなかで、ブラックがこう言っているのが感動的でした。
「ハーヴィ・ミルクの話を聞いたとき、僕は希望をもちました。自分がありのままの人間として生きられるという希望、そしていつの日か、自分が恋愛をして結婚することもできるという希望です。周りから僕を愛さないようにというプレッシャーのなかでもいつも僕のことを愛してくれたお母さんに感謝しています。そしてなによりも、もしもハーヴィの命が30年前に奪われていなかったら、おそらく彼は僕に今夜、自分たちが通っている教会や自分の政府や家族にないがしろにされてきた、世界じゅうのゲイやレズビアンの子供たちに、こう伝えろと言ったと思います。君たちは、美しく、かけがえのない素晴らしい人たちなのだ、そして、誰がなんと言おうとも、神様は君たちのことを愛しているのだ。そして必ず、この我々の立派な国じゅうで、連邦政府のもと、対等な権利を君たちも手に入れる日がじきにくる、ということを。ハーヴィ・ミルクを僕たちに与えてくれた皆さん、そして神様、どうもありがとう。」
「ハーヴィ・ミルクの話を聞いたとき、僕は希望をもちました。自分がありのままの人間として生きられるという希望、そしていつの日か、自分が恋愛をして結婚することもできるという希望です。周りから僕を愛さないようにというプレッシャーのなかでもいつも僕のことを愛してくれたお母さんに感謝しています。そしてなによりも、もしもハーヴィの命が30年前に奪われていなかったら、おそらく彼は僕に今夜、自分たちが通っている教会や自分の政府や家族にないがしろにされてきた、世界じゅうのゲイやレズビアンの子供たちに、こう伝えろと言ったと思います。君たちは、美しく、かけがえのない素晴らしい人たちなのだ、そして、誰がなんと言おうとも、神様は君たちのことを愛しているのだ。そして必ず、この我々の立派な国じゅうで、連邦政府のもと、対等な権利を君たちも手に入れる日がじきにくる、ということを。ハーヴィ・ミルクを僕たちに与えてくれた皆さん、そして神様、どうもありがとう。」