2009年2月5日木曜日

Helvetica

友達にすすめられて、『ヘルベチカ 』というドキュメンタリーをDVDで観ました。ヘルベチカという名で知られている書体デザインについての話なのですが、これはとても面白い!視覚デザインについてなにも知らない私は、正直なところ、ひとつの書体について一時間以上もの映画ができるものかと懐疑的だったのですが、観てみると、これまでまるで気に留めたこともなかったことについて、「おー!」と開眼します。モダンでシンプルで「中立的」なヘルベチカは、1950年代にスイスで開発されて、現在では世界でもっとも使用度の高い書体のひとつなんだそうです。そんなこと考えてみたこともなかったですが、そう言われてみると、確かにニューヨークの地下鉄の駅のサインや道路標識、役所のサインや企業のロゴなどではヘルベチカがよく使われているし、このブログの文字もデフォルトでヘルベチカになっています。考えてみると私の博士論文もヘルベチカで書きました。書体のデザインを職業にする人がいるなんてことすら考えたこともなかったですが、このドキュメンタリーを観ると、どんな人たちがどんなことを考えてデザインするのかも垣間見られるし、また、ものすごく微細なことがとても大きな効果をもつということもわかります。そしてやはり、書体のデザインを職業にするような人は、『ドット・コム・ラヴァーズ』181−182頁で説明した「ニューロティック」な人たちであることがわかって笑えます。「ニューロティック」にもいろいろありますが、この人たちは実に愛すべき「ニューロティック」です。とにかく、このドキュメンタリーを一度観たら、街を歩きながらでも建物のなかでも、文字のデザインに注意を払わずにはいられなくなります。面白いので是非どうぞ。

1 件のコメント:

bun さんのコメント...

おはようございます。存じ上げませんで勉強になりました。

日本語の字体でしたら、私ひとつかねがね歴史について調べてみたいと思っている字体があります。中国/東南アジアの海外でつくられる、「日本人向けの製品にしばしば使われているが日本国内ではほとんどみられない字体」というのがありますね。たとえば、
http://image.blog.livedoor.jp/itobun/imgs/a/2/a2c2be0a-s.bmp
の「スーパーストレッチ」とか、
http://image.blog.livedoor.jp/itobun/imgs/a/0/a0739fa3-s.bmp
の「やわらかくソフトなはき心地」とか。ご覧になったことがおありなのではないでしょうか?あやしいですよね(笑)。
日本人であれば、これを見ただけで生産過程に日本人が関与しておらず、日本製の品質が実現されていないだろうこと察知しまえるとても皮肉なフォントですが、このフォントがどのような歴史をたどって今にいたっているのか関心をもっています。想像では戦前日本から出ていったものがアジアでのみ生き残っているのかな?と思っていますが、よくわかりません。MADE IN JAPANの看板にはsignificantな付加価値がありますから、たとえばこの看板を輸出するプロジェクトを企画する場合などで、フォントの知識というのは生きると思います。

これでなら日本語のフォントでも映画を一本造れそうな気がしますがいかがでしょうか(笑)。