2010年1月4日月曜日

ウガンダ反同性愛法案

あけましておめでとうございます。私は元旦から昨日まで関西の親戚のところに行っていました。私は日本に住んでいた20余年のあいだ、大学受験の年を除いては律儀に毎年お正月(だけでなく、夏休みも春休みも)は関西に行って親戚と集まっていたので、日本のお正月というのはそういうものだと信じていました。が、そんなふうに毎年親戚じゅうで集まっておせち料理を食べるような家族は今ではむしろ少なくなっているらしい、ということに気づいたのは最近のことです。『ドット・コム・ラヴァーズ』で、アメリカのサンクスギヴィングやクリスマスに、楽しいばかりでなくドロドロとした家族ドラマが展開されがちであることは説明しましたが、私にとっての日本のお正月はまさにそれと同じ。なにが起こるかわからないので、楽しみなのとオソロしいのと両方の気持ちをもってのぞみましたが、幸いにしてオソロしいことはとくに起こらず、平和で賑やかな元旦となりました。(親戚のなかにもこのブログを読んでいる人がいることが判明したので、この話題はこのくらいでおしまいにしておきましょう、はい。:))

さて、アメリカのメディア(といっても、私が今日常的に触れるアメリカのメディアは、ニューヨーク・タイムズやウオール・ストリート・ジャーナル、およびナショナル・パブリック・ラジオの各種番組のポッドキャスト、そしてRachel Maddowという才媛キャスターがホストをつとめるRachel Maddow Showのポッドキャストくらいですが)ではここ1ヶ月くらいしきりに報道されているにもかかわらず、日本では報道を見たことがない話題が、ウガンダで議会に提出された反同性愛法案です。アフリカでは同性愛を非道徳的なものとみなし法的・社会的にもさまざまな差別的扱いをする国が多いですが、このウガンダの法案はきわめて極端で、エイズを患っている同性愛者は死刑、同性愛者としての生活を送っている人は死刑ないし終身刑、同性愛者を弁護したり手助けしたりした人にも処罰、外国に居住するウガンダ国籍の同性愛者は強制送還などの項目が入れられています。こうした法案成立の背景には、アメリカの保守的な福音主義キリスト教会のリーダーたちの支援があると言われており、ウガンダで行われた集会で、アメリカの「専門家」たちが、同性愛者を「矯正」して異性愛者に変える方法を指導したことや、アメリカの右派政治家とウガンダの政治リーダーたちのあいだに「政治」の領域を超えた関係があることが報道されています。しかし、今回のウガンダの法案には、当然ながら人権保護の立場から国際的に大きな抗議の声があがっており、これまでウガンダのリーダーたちと交友関係を築いてきたアメリカの教会関係者や政治家たちも、この法案の極端さには反対の意を表し、ウガンダからは距離をとる態度を示しています。先日のニューヨーク・タイムズにもこの件についての記事がありますので、是非読んでみてください。ナショナル・パブリック・ラジオのFresh Airでは、有力な政治家もメンバーとなっている保守のキリスト教団体The Familyに長年かかわっていたBob Hunterという人のインタビューがあり、このウガンダ法案についても言及されています。