2010年1月22日金曜日

ハワイ州シヴィル・ユニオン成立なるか?

去年度のハワイ州議会で、同性愛者にも異性愛者の結婚と同様の法的権利を与える「シヴィル・ユニオン」を制度化するかどうかについての法案が審議され、コミュニティを分断するとても辛い流れになったことは、去年の投稿でお伝えしました。結局去年度は法案は可決されず、今年度再び、LGBTコミュニティやシヴィル・ユニオンの制度化を支持する団体や人びとの努力によって、法案が州議会で審議されています。そして、つい先ほど、法案が18対7で上院を通過したというニュースが出ました。この後、法案は下院そして州知事の手に渡りますが、州知事が拒否権を発動できないようにするための3分の2の票を下院が獲得できるかがポイントとなります。

今回の法案は、去年度の法案とほぼ同じですが、重要な違いは、シヴィル・ユニオンを同性愛者ためのものでなく、希望すれば異性愛者も「結婚」でなくシヴィル・ユニオンを選択できるようにする、ということです。アメリカでは、「結婚」という制度は、教会などの宗教的権威、そして社会一般に認知される関係、という側面が強いのですが、シヴィル・ユニオンは、そうした要素を取り除いて、結婚が付与する法的な権利や特典を同性愛者にも取得できるようにする、というものです。法的な権利が得られることによって、それに基づく、配偶者の健康保険加入や社会保険、相続権などといった経済的権利にもアクセスできるようになるわけです。異性愛者のなかにも、宗教的・社会的認知はとくに求めていないし、自分たちが持っている権利を同性愛者が持っていないことは不当であると考える人は少なくないので、シヴィル・ユニオンが制定されて異性愛者も選択できるようになれば、あえて結婚ではなくシヴィル・ユニオンを選ぶ男女も出てくるだろうと予想されます。私も、相手がいればそれを考えると思います。ただ、結婚の場合は、ある州で結婚したカップルは合衆国の他の州でも結婚として認められるのに対して、シヴィル・ユニオンは、同性愛者の結婚やシヴィル・ユニオンを認めていない州では認知されないので、まだまだ結婚と比べると法的権利が限定されているのですが、それでも、とりあえずハワイ州でシヴィル・ユニオンが成立すれば、法的平等という意味では大きな一歩となります。現地で運動を応援したいところですが、今は日本にいるので、ニュースやFacebookでの友達の投稿を通じて動きを追っているだけなのが、ちょっと歯がゆい思いです。