移民局の審査官によると、審査に使われる大きな基準は、(1)結婚の合法性(過去に別の相手と結婚していた人は、その離婚が成立しているということを証明できなければいけない)、(2)資産・財産の共有(共同名義の銀行口座や不動産など)、(3)精神的・感情的な結びつき、だということです。混乱した社会情勢の母国から移民してきた人や、資産や財産をほとんど持たない移民にとっては、はじめのふたつは結構ハードルが高いことが多い。そして当然ながら、「精神的・感情的な結びつき」は、審査するのも証明するのも難しい。ゆえに、まったく正当な結婚をしている夫婦でも、その正当性を証明しようと頑張り過ぎて、面接で奇妙な言動をとってしまい、かえって疑惑をよぶ、などということもあるらしいです。たとえば、面接官はそんなことを質問しているわけではないのに、性生活をやたらと具体的に描写する人や、なんと性行為の写真まで持参で面接にやってくる人までいるとか。
結婚が「本物」か、本当に生活を共にしているのかを試す質問としては、こんなものがよく使われるらしいです。(面接では夫婦がそれぞれ別々の部屋に入れられ、同じ質問をされ、答が一致しないと、偽装結婚を疑われる、という仕組み。)
−結婚式の日の朝、あなたはどこで目を覚ましましたか。あなたの夫/妻はどこで目を覚ましましたか。
−結婚式の会場には、どうやって行きましたか。
−あなたの家賃または住宅ローンは月々いくらですか。
−自宅の台所で、流しに向かって立つと、電子レンジはどちら側にありますか。
−寝室のクローゼットの中はどんなふうに分かれていますか。
−洗った下着はどこにしまってありますか。
−あなたの身体には入れ墨がありますか。あるとすれば、どこにどんな模様の入れ墨がありますか。あなたの夫/妻には入れ墨がありますか。
−夜寝るときには、あなたはベッドの左右どちら側に寝ますか。
−避妊はしていますか。しているとすれば、なんの方法を使っていますか。
なにかと滑稽な展開になりがちな質問もあるのですが、結婚が偽装と判定されれば強制国外退去になってしまう移民たちにとっては、笑いごとではありません。弁護士の指導のもと、面接に向けて一生懸命勉強しすぎて、答があまりにもわざとらしくなって、かえって怪しまれる、ということもあるらしいです。ウーム...
では、これからカメルーン戦を観ます。私はとくにサッカーが好きというわけではないのですが、いとこがカメルーンに移住することになって、急にカメルーンに興味が湧いてきたので、昨日NHKでやっていたサミュエル・エトーについての番組も観て予習しました。どきどき。