2011年5月19日木曜日

本番はオソロしい

先ほど、ピアノ・テキサスのワークショップの夜のコンサートで、今回初めての演奏をしてきました。結論から言うと、自分的にはまったくの大惨事に終わりました。今晩弾いたのは、予選で弾くことにしている、サミュエル・バーバーの「思い出」組曲作品28より「ワルツ」「パ・ドゥ・ドゥ」「ヘジテーション・タンゴ」の3曲。とても思い入れのある曲なのですが、なんといっても最初の「ワルツ」の出だしで一番つまづきがちで、そこで肝心な音を外してしまうと、動揺して、そこから坂を転げ落ちるようにどんどん崩壊していく...というパターンが、今日も展開されてしまいました。よっぽど途中で演奏をやめて舞台を下りて帰ってこようかと思ったくらいでした。落ち着いて弾けばじゅうぶん弾けるはずなのはわかっているのに、舞台に出ると、頭上から照りつけるライトの強い光にまずびっくりし、その反射で客席などまるで見えないのにどぎまぎし(数人でも知っている顔が見えればずいぶん安心するのですが)、どうでもいいようなミスをしながら弾いているうちに、暗譜はちゃんとできているはずなのに、途中で頭が真っ白になってしまうんじゃないかという強迫観念が湧いてきて、全体的なことよりもその場その場の音(それも、どういう質の音を出すかということではなく、次に出すべきはドだったかミだったかというレベルの話)のことしか考えられなくなってくる。落ち着いて弾けているときは、なんといってもちゃんとしたホールでスタインウェイのコンサート・グランド・ピアノを弾いているわけなので、自分でも幸せな気分になるくらいいい音が出るのですが、そんな落ち着いた気持ちでいられるのは、12分のうち2分くらい。いやー、まいった。復習(今、漢字変換をしようとしたらまず出てきたのが「復讐」。なんと適切な変換であることか!)用に一応録音もしたものの、聴く気にもならないくらいの出来でした。

本番(本番といっても、これはあくまで練習コンサートなので、聴衆はほんの一握りしかいないのですが)というのはオソロしいなあと実感。他のいろんなアマチュア・コンクールやコンサートに出て演奏経験を積んでいる人なら慣れているでしょうが、私のように人前で演奏する機会をまるでもってこなかった人間は、一回の演奏のたびに寿命が3年くらい縮まる思いです。でも、コンクール本番でいきなりこれだったらどうにもしようがないけれど、コンクール前に数回は舞台で演奏する練習ができるので、その数回で少しは度胸がついて落ち着いて演奏できるようになるといいなあ...

というわけで、自分の演奏は悲惨でしたが、他の参加者たちとお友達になって、演奏のあと部屋でビールを飲みながらおしゃべりしたりするのは、とても楽しいです。私としては、そういう交流が主な目的で来ているので、精一杯楽しむことにします。といっても、明日は、朝8時半からマスタークラス、正午にプライベートレッスン、夜はコンサートと、長い一日が控えているので、もう寝まーす。