世界各地から抗議の声があがっている、イスラエルのガザ攻撃は、600人以上の被害者を出しながらもすぐには終わりそうにありません。オバマ氏が大統領に就任するまでまだ二週間あり、アメリカの政治的リーダーシップの空洞状態での攻撃なので、アメリカでこの情勢に強く反対している人たちも、国内ではどこに声を向けたらよいのかわからない、という感じです。私は、日本にいるときは、中東情勢についての報道を見たり読んだりしても、正直言ってどうも自分にあまり関係のない遠いところで起こっていることのように感じてしまうのですが、アメリカでは、国益が中東情勢に密接にからんでいるし、(イスラエル国家の政策を支持する人も反対する人も含め)ユダヤ系の住民も多いし、(さまざまな宗教的・政治的アイデンティティをもつ)アラブ系の住民もいるし、イスラエル人もパレスチナ人もいるので(もっとも、ハワイではこれらのどのカテゴリーもとても小さいですが)、ずっと切迫感があります。
オバマ氏を当選に結びつけた大統領選のキャンペーンで、インターネットが非常に重要な役割を果たしたことは前にも書きましたが、今回のガザ攻撃に関するさまざまな議論や運動でも、インターネットが活発に使われています。Facebookにも、ガザ攻撃に反対する人たちのグループがあるし、私のところに送られてくる署名依頼のメールなどだけでも、ガザ攻撃が始まって以来、毎日数通はあるので、私の知らないところではこうした運動がもっともっと沢山各地で行われているのでしょう。そうした運動がどれだけ実際に効果があるのかは不明ですが(インターネットを媒体とするこうした運動については、パソコンをクリックして署名を送っただけで、まるでなにか大事なことをしたかのような錯覚を与えるが、実際にはなんの効力もなく、政治・社会活動について誤った意識を人々に与える、という批判もあります)、起こっていることについて問題意識を喚起するという点では意味はあると思います。参考までに、そうしたウェブサイトやブログの例をあげておきます。私の職業上、大学関係の人たちが組織しているものが多いですが、政治的に活発なアメリカの大学の人たちがどういう言論活動をするのか、という点では興味深いかと思うので、よかったらチェックしてみてください。ちなみに、オバマ氏への公開状の著者、David Lloyd氏は、現在は南カリフォルニア大学に所属している、著名な文学者です。
http://www.teachersagainstoccupation.blogspot.com/
http://www.ffipp.org/
http://www.grassrootsonline.org/gaza